はりねずみ教

難しいことを分かりやすく!

アメリカがどれほどひどい国か、わかりやすく解説!

世界にはいろいろな国があり、それぞれの国には良いところも悪いところもあります。

ただ、個人的には、日本はアメリカに占領されたためか、アメリカの悪いところはなかなかメディアが報じていない印象です。

今回は、アメリカの悪い部分、ひどい部分を分かりやすくまとめておこうと思います。

(もちろんアメリカにもいい部分はありますが)

目次

嘘や誤情報によるプロパガンダ

ウクライナ侵攻を受けて、ロシアのプロパガンダが批判されていますが、個人的には世界一のプロパガンダ大国はアメリだと思います。

はっきりと嘘もしくは誤情報だったことが判明しているプロパガンダの代表例

の二つです。

トンキン湾事件

トンキン湾事件というのは、アメリカ側が「北ベトナムトンキン湾で、米国戦艦が北ベトナム側から魚雷攻撃を受けた」と主張し、ベトナム戦争介入の口実とした事件です。

これはアメリカ側の捏造だったことが判明しています。おそらく、ソビエトの支援する北ベトナムを攻撃し封じ込めたかったアメリカが、正当な参戦の根拠がなかったために、でっちあげたのでしょう。

大量破壊兵器

大量破壊兵器というのは、9.11テロの後に、当時のブッシュ大統領が「イラクには大量破壊兵器があり、世界平和を脅かそうとしている」と主張し、イラク侵攻の根拠としたものです。以下は当時のTV映像の切り抜きです。

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イラクには大量破壊兵器があると主張する当時のブッシュ大統領

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国連の場で、イラク大量破壊兵器の脅威について訴える当時のパウエル国務長官

(画像の出所:http://eikojuku.seesaa.net/article/225831630.html
この発言から数年後、ブッシュ政権は、「大量破壊兵器は無かった」とあっけからんと説明します。いったい何を根拠に大量破壊兵器のことを話していたのでしょうか

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大量破壊兵器は無かった」と認める当時のブッシュ大統領

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大量破壊兵器は無かった」と認める当時のラムズフェルド国防長官

Wikipediaによると、民間人含め、ベトナム戦争では推定600万人、イラク戦争では推定で最大60万人の死者が出たといわれています嘘もしくは誤情報によって始めた戦争で、これほど多くの命を葬り、それでも国際社会で堂々としていられる感覚が、自分には理解できません

ジャイアンのようにやりたい放題

アメリカは、第二次世界大戦・太平洋戦争の勝者だとはいえ、あまりにも世界でやりたい放題の振る舞いをしていると思います。ジャイアンのようです。

ここでは、湾岸戦争と日米半導体協定の二つの話をしたいと思います。

湾岸戦争

まず湾岸戦争ですが、一般的には、イラククウェートに侵攻し、それに対してクウェートを守るために、米国が参戦した、という認識が強いと思います。ですが、重要なのは、なぜイラククウェートに侵攻したかです。

経緯をたどると以下のようになります。

  • 米国が冷戦期のソビエトとの軍拡競争により、財政難に陥る
  • 財政難回避のために、中東の石油利権が欲しい
  • イラン革命により、イランにおける親米政権が倒され、反米政権ができてしまった
  • 中東の石油利権確保のためにはイランが邪魔
  • イランを倒すために、隣国のイラクを支援し戦争する(しかし、うまくいかず)
  • 勝てなかったイラクに借金(対イラン戦争時の支援金)取り立て
  • 借金を払えないイラクが、石油利権拡大のためにクウェートに侵攻

いかがでしょうか。つまり、もともとは、アメリカが中東の石油利権が欲しいがために、中東諸国の政治・経済を引っ掻き回したのが原因なのです。

湾岸戦争の原因を作ったのは米国だということです。

日米半導体協定

もう一つ、日米半導体協定についてです。

日米半導体協定というのは、1986年から1996年にかけて、アメリカの半導体業界が日本の半導体業界に対して

  1. 日本市場における外国製半導体のシェア拡大
  2. 公正販売価格による日本製半導体の価格固定

という二つの制約を課した協定です。

背景を説明すると、半導体は米国で開発されたものではありますが、日本は1970年代に官民共同で始めた半導体開発PJ(”超LSI技術研究組合”と呼ばれるもの)がうまくいき半導体業界でのシェアを高めていましたそれがアメリカ側は気に食わず、日本に対して、「アメリカ製の半導体を買え」と言い、(日本の半導体のシェアが下がるように)「日本は半導体を安く売るな」と命じたということです。

この日米半導体協定の日本側交渉団の代表を務めた元日立製作所専務の牧本氏は、この協定により日本の半導体産業が衰退し、半導体産業が衰退したことにより、日本のエレクトロニクス産業全体が大きなダメージを負ったと指摘しています。(出所:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65263770R21C20A0000000/

日本の産業界衰退の原因の一つにも、アメリカが大きく関わっていたということです。

このように、自らの希望を叶えるためであれば、アメリカは手段を選びません。

ウクライナ侵攻関連のアメリカ批判

アメリカ批判のなかでも、ウクライナ侵攻に関連するものはこちらにまとめたいと思います。

NATOの東方拡大がロシアによるウクライナ侵攻を招いた

ロシアのプーチン大統領は、NATOの東方拡大と軍事化に関連して、「ロシアの庭先にミサイルを置くなと言っているのに、なぜ理解できないのだ?」と批判していました。NATOの東方拡大が、ロシアによるウクライナ侵攻の原因になったわけです。

フィナンシャルタイムズの副編集長であるマーティン・ウルフも、NATOの東方拡大がロシアのウクライナ侵攻を招いたことを認めています。(出所:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB211GV0R20C22A3000000/

ピュリッツァー賞を三度受賞しているニューヨークタイムズのジャーナリスト、トーマス・フリードマンも、駐モスクワ米国大使を務めたジョージ・ケナンの発言を引用しつつ、NATOの東方拡大がロシアによるウクライナ侵攻の原因になったと認めています。また、NATOが東方に拡大し続けたのは、米国の上院議員が、「ロシアは西側諸国を攻撃するに違いない」という根拠のない恐怖・妄想に取りつかれていたからだと指摘しています。(出所:https://www.nytimes.com/2022/02/21/opinion/putin-ukraine-nato.html?referrer=masthead

米国で国務長官を務め、ノーベル平和賞を受賞したキッシンジャーも、現在のウクライナがある地域は、ロシアの起源であるキエフ大公国があった場所であり、ウクライナはロシアにとって特別な国であることに留意すべきであると指摘しています。(出所:https://courrier.jp/news/archives/280782/

日本だと、外務省の情報局長を務めた孫崎享さんが、上記3名と同様の発言をされています。

このように、NATO東方拡大は東西の緊張を高めると警告されてきたにも関わらず、米国は、NATO加盟への道はすべての国に開かれている」という原則論に固執し、ロシアによるウクライナ侵攻を招いてしまったわけです。

ジョージ・ケナンによれば、ロシアはソビエト崩壊後、資本主義・民主主義化を進め、西側諸国と友好的な関係を築こうとしていたといいます。にもかかわらずアメリカは、ロシアへの根拠のない恐怖感からNATO東方拡大と軍事化を進め、対立を煽ってしまったということです。

また、自分はそのNATO東方拡大の方法にも問題があったと思います。

問題1:一方的な弾道弾迎撃ミサイル制限条約脱退

まず米国は、米国とロシアの間で軍事的緊張が高まらないようにミサイルの設置に制限をかけた条約「弾道弾迎撃ミサイル制限条約」を一方的に脱退し、NATOの軍備化を進めました

約束を破ってまでヨーロッパのNATO加盟国でミサイル設置を進めてきたわけです。

問題2:ウクライナ憲法に「NATO加盟努力義務」を明記させる

オバマ政権時代、副大統領だったバイデンは、ウクライナをして憲法に「ウクライナの大統領はNATO加盟への努力義務を負う」と明記させました。(出所:バイデンに利用され捨てられたウクライナの悲痛(遠藤誉) - 個人 - Yahoo!ニュース

当時から、バイデンは、ウクライナを西側のものにしたくて仕方がなかったようです。

キッシンジャーが言うように、ウクライナの首都キエフは、キエフ大公国といって、現在のロシアやウクライナの起源にあたる国があった地域であるのにも関わらずです。日本人の感覚で言えば、出雲を他国に乗っ取られるようなものでしょう。)

問題3:ウクライナの脱ロシア産天然ガス政策

バイデンの息子であるハンター・バイデンは、ウクライナ最大の天然ガス企業ブリスマ・ホールディングスで、2014年~2019年に役員を務めていました。そして、まさにその息子の役員就任期間中である2014年~2015年を境に、ウクライナはロシアから天然ガスの輸入をほとんどやめています。(グラフの出所:https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/59029

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ウクライナ天然ガス輸入先(単位:億立方m)

ウクライナは、従来化石燃料の輸入でロシアと経済的な結びつきの強い国でした。これは憶測でしかありませんが、バイデン一家としては、まずはその経済的つながりを断ち切ることで、ウクライナを東側から分離させようとしたのかもしれません。

化石燃料産業/軍需産業の利権

こちらも憶測でしかありませんが、化石燃料産業や軍需産業の利権のために、アメリカはウクライナ対ロシアの戦争を望んでいた可能性もあります。

武器を送ることで、アメリカ人たちは安全を確保しながら、軍需産業は軍需品の売り上げを伸ばすことができます

また、ロシアを国際経済から締め出すことで、化石燃料の代替調達先として米国が浮上し化石燃料の販売がしやすくなるうえに、化石燃料の価格が高騰して、利益をあげやすくなります

もし本当に化石燃料産業/軍需産業利権のために戦争を仕組んだのだとすれば、本当に恐ろしいことです。

ウクライナNATO非加盟国なので派兵しない」というお粗末な言い訳

米国は、ウクライナに派兵しない理由として、ウクライナNATO非加盟国であることをあげています。しかし、米国は、NATOに加盟していないどころか、何の条約も結んでいない国に軍隊を派遣してきた歴史がいくつもあります。例えば

上記戦争または紛争においては、NATOへの加盟どころか、条約さえ結んでいない国のために、アメリカは兵士を派遣したり、空爆を行ったりしています。つまり、ウクライナNATOに加盟していないことは、派兵しない理由としては説得力を欠くわけです。

第3次世界大戦になってしまうというのが、ウクライナに派兵しない本当の理由でしょう。

適当な言い訳はするべきではないと思います。

燃料気化爆弾の使用

ロシアによるウクライナ侵攻では、ロシアがウクライナに対して、「燃料気化爆弾」を使用したとして、国際法違反であると西側諸国は非難しました

しかし、燃料気化爆弾を初めて使用したのはベトナム戦争での米軍ですし、続く湾岸戦争イラク戦争でも使用されたといわれています。(出所:http://www.jca.apc.org/stopUSwar/Iraq/daisy_cutter_in_kut_apl2.htm

アメリカは燃料気化爆弾を使用する一方で、ロシアが使うと「国際法違反だ」と言って非難される状況は、もはや意味不明です。

経済制裁は対立を煽るだけでは

米国コーネル大学のニコラス・マドラー助教授が『The Economic Weapon: The Rise of Sanctions as a Tool of Modern War(日本語訳…経済兵器:近代戦争の道具としての制裁の台頭)』という本を出しており、その中で、「経済制裁によって戦争を抑止(軍事的撤退)できたのは1921年のユーゴとアルバニア、1925年のギリシャブルガリアの国境紛争、それにスエズ紛争の際のイギリスに対してものしかない」と指摘しているそうです。つまり、経済制裁によって戦争が回避されたという例など、歴史を遡っても3つしかないわけです。(出所:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD031290T00C22A3000000/https://www.amazon.co.jp/dp/B09MJ9RTQG/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1

また、思い返せばわかるように、日本が太平洋戦争に突き進んだのは、アメリカ等から石油などの禁輸を受け経済的に追い込まれたことが(少なくともアメリカなどに対して日本が強硬的姿勢をとることになった)原因の一つと言われています

また、ドイツにおいてヒトラー政権が誕生したのは、第一次世界大戦に敗北したドイツに対して、アメリカ等戦勝国天文学的な額の賠償金を課し、ドイツにおいてハイパーインフレを招いたことが原因の一つであると言われています。

今回のウクライナ侵攻に関しても、中国の華春瑩報道官が「米国による対ロシア制裁は2011年から数えて100回を超えている」が、「米国の制裁は問題を1つでも解決したのかこうした制裁のおかげで世界は好転したのかウクライナ問題は米国の対ロシア制裁が奏功して解決するのか欧州の安全保障は、米国の対ロシア制裁で保証されるのか」と問いかけています。(出所:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB281660Y2A220C2000000

何が言いたいかというと、敵国に対して経済的に圧力をかけることは、本当に戦争を終わらせることに繋がるのか、むしろ悪化させることの方が多いのではないかということです。

今回のウクライナ侵攻に関しても、経済制裁によってロシアの経済的体力にはダメージがあるのかもしれませんが、戦争に対する姿勢を強硬化させないか、心配です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回はアメリカの特に悪い面にスポットライトを当てましたが、アメリカは、

  • 嘘や軍事力、経済的圧力、条約の破棄、政治工作等さまざまな手段を駆使して、自らの望みを叶えていく
  • 一方で、上記のような手段を敵対国がとると(往々にして他の西側諸国と一緒に)非難する

という、まるでジャイアンのようなやりたい放題の国だということです。

日本の世論を含め、もう少しフェアな見方が広がって欲しいと願っています。