はりねずみ教

難しいことを分かりやすく!

ウクライナ侵攻に関する日本メディアの報道は西側に偏りすぎ

ウクライナ侵攻に関する日本メディアの報道は西側に偏りすぎです。

例えば、日本の新聞のうち、読売新聞、朝日新聞日経新聞を見てみましょう。

言っているのは、「ロシアは嘘つき。ロシアが悪い。ロシアに圧力をかけろ」だけです。

欧米のメディアも同じような傾向はありますが、例えばニューヨークタイムズ(以下、NYT)は、「NATOは無実の傍観者ではない」「ウクライナで男性が出国できないのは性差別だ」などと、NATOウクライナのことも批判しています

日本のメディアにはもっと、「ロシアが悪い!ロシアを倒せ!」だけでなく、NATOウクライナに対する批判を含めて、多様な意見を発信してほしいと思います。

目次

記事紹介

いくつか記事を紹介したいと思います。

是非、NYTと日本の新聞とを読み比べてみてください。

NYTの記事

NYTの記事は少し詳しめに、二つ紹介したいと思います。

記事①:NATOに対する批判

まず一つ目。ピュリッツァー賞を3度受賞している米国のジャーナリスト、トーマス・フリードマンが書いた記事です。

Opinion | This I

www.nytimes.com

以下、内容の要約です。

  • ソ連崩壊後、ロシアは市場主義化、民主主義化を進め、西側諸国に対して友好的な姿勢をとっていた
  • にも拘わらず、米国は「ロシアは西側を攻撃しようとしている」という恐怖・妄想に取りつかれ、NATOを東方に拡大&軍備化を進めた
  • NATOの東方拡大&軍備化に反発したロシアがウクライナに侵攻
  • ロシアがウクライナに侵攻するきっかけを作ったのはNATOである。したがってNATOは無実の傍観者ではない

このように、NYTはNATOの政策も批判しているわけです。

記事②:ウクライナの政策に対する批判

もう一つはウクライナの政策についてです。

皆さんご存じの通り、ウクライナでは現在「18歳~60歳男性は出国不可」になっています。

それについて、NYTは、「性差別だ」と批判しているのです。

女性だって戦っている人がいるし、せめて「両親どちらかを出国禁止」にしてはどうか、と訴えています。

NYTは、ウクライナの政策の妥当性も問うているわけです。

www.nytimes.com

日本のメディア

日本のメディアは、「ロシアは嘘つき、経済的圧力をかけろ」と言っているだけです。

読売新聞の記事

露の言論統制 プーチン氏の嘘は通用しない : 社説 : 読売新聞オンライン

原発が標的に プーチン氏は正気を取り戻せ : 社説 : 読売新聞オンライン

読売が言っているのは、プーチンは嘘つきでかつ正気ではない、ということです。

朝日新聞の記事

ウソを意図的に流すロシア 生物兵器をめぐるプロパガンダと長い歴史 [ウクライナ情勢]:朝日新聞デジタル

病院や原発への攻撃「戦争犯罪の可能性」 プーチン氏を逮捕できるか [ウクライナ情勢]:朝日新聞デジタル

朝日が言っているのは、ロシアは嘘つき、プーチンを逮捕せよ、です。

日経新聞の記事

面倒なので記事は載せませんが、言っていることは読売や朝日と大差ありません。プーチンの言っていることには根拠がない、経済的に圧力をかけろ、と言っているだけです。

自分には、日経は米国にこびへつらって、対立をあおっているようにしか見えません。

日本のTV局

詳細には触れませんが、日本はTV局も同じように西側に偏っています。「ロシアの言っていることは根拠がない」「圧力をかけろ」などと言っているだけです。

日本は新聞もTVも、西側に偏っているわけです。

戦時中こそ、多様な意見を

自分は、問題解決には、多様な意見が必要だと思います。ウクライナ侵攻でいえば、戦争終結もしくは停戦のためには、西側の視点だけでなく、ロシア側の視点も必要だということです。相手の意見を無視した外交など上手くいくはずがありません

米国で国務長官を務めたキッシンジャーも、「プーチンを『悪魔的な存在』と呼ぶことは政策ではなく、それは政策がないことの証明」にしかならない、「終戦には両陣営が不満を持つ解決策が必要だ」と述べています。(出所:キッシンジャーが“8年前”に提言「終戦には両陣営が不満を持つ解決策が必要だ」 | 「良い政策」とは危機を終結させる政策 | クーリエ・ジャポン)

太平洋戦争中、日本は「総員玉砕せよ」「鬼畜米英を撃滅せよ」などと言って、戦争一色になり、たくさんの死者を出す羽目になりました。もしあの時、降伏という選択肢をもっと検討できていたら、いったい何人の命が助かったのでしょう。

戦時中こそ、多様な意見が大切なのです